「こうしないと君を確かめられない」
彼の指が触れるたび、未知の熱が身体にともる――
「愛らしいな、君のここは」駆け落ちした従姉の醜聞を打ち消すため、身代わりに“幽霊屋敷”へ勤めに出たリュシー。当主のジャック・ダルトワは視力を失い、数少ない使用人と共に屋敷にこもっている貴族だった。雇い続けてもらおうと奮闘するうち、ジャックの抱えた苦悩と孤独に気づいたリュシーは彼の力になろうと尽くし、二人の距離は近づいていく。ある日、ダジャックに求められて入浴の手伝いをしたリュシーは彼に触れられてついに快楽を知る。重ねる身体は熱く溶け合うのに、本当の名前は明かせないまま、想いは募って――。